病診連携

大阪中央病院

泌尿器科 木内 寛 吉岡 史江 宮田 勇士 惣田 哲次


大阪中央病院における29年間の男性不妊治療の歩み(2026.3.18)

わが国の合計特殊出生率は2024年に1.15と過去最低を記録し、晩婚化・晩産化に伴う不妊症の増加は喫緊の社会課題となっている。

最新の統計によれば不妊に悩むカップルは22.7%に達し、その約48%において男性側因子が直接的に関与しているにもかかわらず、男性側の認識不足やスクリーニングの遅延が臨床上の課題となっている。

加齢に伴う精子機能の質的劣化、特に精子核のDNA断片化指数(DFI)は、20?30代では比較的安定しているものの、40代以降は指数関数的に上昇し、受精障害や着床不全、流産リスクを有意に高めることが科学的エビデンスにより示されている。

男性不妊の主要因であり、外科的介入による改善が期待できる精索静脈瘤は、一次性不妊の40%、二次性不妊においては約80%という高頻度で認められるが、日本生殖医学会認定の生殖医療専門医(泌尿器科)は全国に約80名と極めて少なく、適切な診断機会の不足が指摘されている。

こうした状況下、大阪中央病院では29年間にわたり男性不妊治療のフロントラインを担い、2025年には「精索静脈瘤・男性不妊センター」を新たに開設、惣田哲次、木内寛、宮田勇士、吉岡史江の4名の常勤医体制(うち専門医2名)を構築し、年間400件という国内屈指の顕微鏡下手術実績を有している。

当院では「最新のエビデンスに基づく円滑かつ迅速な診療」を標榜し、多数の学術発表による知見の還元と、患者の治療期間を最短化する効率的な診療の両立に注力している。

不妊症はカップル双方の課題であり、男性側の早期介入はパートナーへの侵襲を軽減し、生殖医療全体の成功率を左右する極めて重要な戦略である。

地域医療機関との緊密な連携を通じ、男性不妊へのアクセシビリティを向上させることが、わが国の少子化対策および生殖医療の質的向上に直結すると考える。

※ 詳細な内容は以下をご参照ください。
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日本における出生動向

日本における出生動向


初婚、初産年齢が年々遅くなっている

初婚、初産年齢が年々遅くなっている


不妊症の頻度と原因

不妊症の頻度と原因


無精子症手術の推移

無精子症手術の推移


精索静脈瘤手術の推移(1997年から2025年)

精索静脈瘤手術の推移(1997年から2025年)