要旨
今後も重要視されてくる「感染症」について、その発生動向と今後の予想についてまとめています。
1.ノロウイルス
2.インフルエンザ
3.先天性風疹症候群(CRS)
本文
【ノロウイルスの発生動向】 (図1)
● ウイルスの抗原性が変化したと推定される昨シーズンと比較して、
今シーズンの患者報告数の上昇はこれまでのところ緩やかである。
● しかし、第46週は前週と比べて急増がみられており、
例年通り12月の流行のピークに向かって流行は本格化してくるものと予想される。
● 今年もノロウイルスの流行には注意が必要である。
【インフルエンザの発生動向】 (図2)
● 2012/2013年シーズンのインフルエンザの定点当たり報告数は、
2012年第43週以降14週連続して増加して2013年第4週にピーク(定点当たり報告数36.44)を迎え、
その後は減少が続いて第22週に定点当たり報告数は0.70と1.00を下回った。
● 今シーズンも11月に入って患者報告数は右肩上がりとなってきており、
このままのペースで行くと昨シーズンと同様に12月に流行宣言となる可能性が高い。
● これまで検出されたウイルスの数はまだわずかであるが、
今シーズンはインフルエンザA(H1N1)pdm2009の検出割合が昨シーズンよりも高くなっている。
【先天性風疹症候群(CRS)18例のまとめと考察】 (図3)
● 風疹罹患の明らかでない母親6例(不明4例、なし2例)罹患時の妊娠週数 中央値9週(5-17週)
● 母親のワクチン歴なし 9例
● 障害:先天性心疾患のみ10例、難聴のみは5例
● 最頻の障害として知られる難聴のみの報告少なく、未診断・未報告例多い?
● 風疹罹患後よりCRS児の出生まで20〜30週程度の時間差 ⇒ CRSの報告は今後、増加の可能性
※ 詳細な内容は以下をご参照ください。
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スライド表紙
図1.ノロウイルス発生動向のまとめ
図2.インフルエンザの発生動向のまとめ
図3.CRS18例のまとめと考察