病診連携

加納総合病院

脳卒中センター長 中澤 和智


脳卒中センターの紹介(2019.11.27)

1.脳卒中についてと加納総合病院脳卒中センターの紹介
脳卒中は回復までに比較的時間を要することがあり、後遺症を引き起こしやすい疾患でもあります。寝たきり状態の原因疾患には脳卒中がもっとも多いことが知られています。
つまり、急性期に一生懸命治療し、急性期から回復期まで積極的なリハビリテーションをしたとしても、後遺症をさけられない方も多い疾患群が脳卒中なのです。 また、一旦脳卒中になった患者さんの再発も比較的多いため、一度は後遺症を残さずに復帰できた方にも再発予防のための知識や生活習慣病管理、薬剤などが重要となります。
さらに、原因の多くは生活習慣病や心臓病が引き金になっていることもあるため診療科を超えての連携も必要となります。

脳卒中の治療には脳外科的手術だけでなく、カテーテル治療、内視鏡治療、内科的治療、リハビリテーションなどの治療技術がありますが、それらの治療を支えるためには放射線診断、検査、看護、薬剤管理、栄養指導の支援を必要とするため、脳神経外科医、神経内科医、内科医、循環器科医、放射線科、臨床検査技師、看護師、薬剤師、栄養士などの多数の職種に介入していただいています。

毎朝行われる脳卒中カンファレンスには医師、看護師、リハビリスタッフが参加し、急性期病棟にはすぐに相談のできる薬剤師や栄養管理スタッフも配属されています。また、週に1回のリハビリカンファレンスには医師、リハビリスタッフ、看護師、地域連携室などに参加していただき、個々の患者さんの情報を共有しています。
小回りが利き専門スタッフ同士が近い関係にあるためこれらの時間以外にもお互いに相談できる点も加納総合病院の良い点と感じています。

また、救急車で運ばれたばかりの超急性期には脳梗塞に行われるt-PA静注療法や血栓回収療法などでは、発症からから再開通までの時間が短いほど、より良い転機を期待できますので、院内の連携がスムーズでないと遅滞が生じてしまいます。
そのため、定期的な勉強会を行い、スタッフのみなさんにスピードに対する意識を持っていただくように心がけています。

脳卒中センターはケアミクス病院という利点を生かして、急性期から回復期まで最大限の回復を目標にしています。
当院では、これらの専門スタッフを多数配置されているため、365日24時間体制での脳卒中診療、土日祝日も行えるリハビリテーションをしながら、退院後のことも念頭にいれた栄養指導や地域連携室による生活の場の確保などを行えるまさに患者さんやご家族にハートフルな脳卒中診療が行える施設と考えています。

2.脳梗塞に対する積極的治療の進歩
t-PAやカテーテルによる血管内治療(脳血栓回収療法)はすでに科学的に証明され、適応の患者さんにはするべき治療となっています。
カテーテル治療の有用性が証明されたのは2015年でしたが、近年では2015年には証明されていなかった

 ①脳梗塞の範囲が広い
 ②内頸動脈や中大脳動脈本幹以外の閉塞
 ③来院時の症状の比較的軽症
 ④発症から6時間以上を経過した患者
にも有用性が示されるようになってきました。
一定の条件の患者さんでは発症から24時間を経過しても有用性が示されたことにより、治療のチャンスを与えられる患者さんが増えつつあります。

3.私からのお願い
脳卒中診療は日進月歩です。加納総合病院に入職してから、しばしば「この病院でそんな治療ができるの?」と質問をされることがあります。
私どもの宣伝不足もあり、周囲には大病院が多いのでそのような質問をされるのだと思っています。
当院では救急から生活の場まで、患者さんとそのご家族を支援できる脳卒中診療体制を整えています。診療スタッフの経験も豊富です。
ご安心いただき受診や紹介をしていただけたら、嬉しく思います。

※ 詳細な内容は以下をご参照ください。
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加納病院脳卒中診療

加納病院脳卒中診療


治療とリハビリテーションの流れ

治療とリハビリテーションの流れ


加納総合病院脳卒中 チーム医療

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自立した生活を得るためには?

自立した生活を得るためには?


まとめ

まとめ